英語を学ぶ上で避けて通れないのが「発音」。
しかし、単語や文法の学習に比べて、発音の学習は後回しになりがちです。
発音記号を理解することで、ネイティブのような音を再現できる土台ができ、リスニング力・スピーキング力の向上にもつながります。
この記事では、英語の発音記号について基本から丁寧に解説し、どのように学び、どう活用すればよいかをお届けします。
1. 英語発音の種類と発音記号とは?
日本の英語教育では、文字(スペリング)中心の学習が多く、「音」に意識が向きにくい傾向があります。英語の発音には日本語にない音が多く、それらを正しく聞き取り、再現するには“発音記号”の理解を深めることが重要です。
発音記号とは?
発音記号とは、英語の音を表すための記号です。国際的には『国際音声記号(IPA: International Phonetic Alphabet)』を使った表記が一般的です。例えば、単語 “cat” は「kæt」と表され、“a” の部分が [æ] という記号で表現されます。
2. 英語の発音記号45個を徹底解説
発音記号の全体像
英語の発音記号は大きく分けて次の2種類に分類されます。
- 母音:20個(長母音・短母音・二重母音)
- 子音:25個(有声音・無声音など)
2-1. 母音の発音解説(種類と発音記号)
■ 単母音(短母音と長母音)
記号 | 発音例 | 音の特徴 |
---|---|---|
/ɪ/ | bit, sit | 日本語の「イ」より短くて狭い |
/iː/ | beat, seat | 長くて引き締まった「イー」 |
/ʊ/ | book, foot | 「ウ」と「オ」の中間の短音 |
/uː/ | food, blue | 長くて唇を丸める「ウー」 |
/e/ | bed, said | 「エ」と「イ」の中間 |
/ə/ | about, sofa | あいまい母音(シュワ) |
/ɜː/ | bird, learn | 強勢のある「アー」 |
/ɔː/ | thought, more | 「オー」に近い長母音 |
/ɒ/ | hot, not | イギリス英語の「オ」 |
/ʌ/ | cup, luck | 「ア」と「オ」の中間 |
■ 二重母音(滑らかに変化する音)
記号 | 発音例 | 音の変化 |
---|---|---|
/eɪ/ | day, say | e → ɪ |
/aɪ/ | eye, my | a → ɪ |
/ɔɪ/ | boy, toy | ɔ → ɪ |
/aʊ/ | now, cow | a → ʊ |
/əʊ/ | go, show | ə → ʊ(米:/oʊ/) |
/ɪə/ | ear, idea | ɪ → ə(英) |
/eə/ | air, care | e → ə(英) |
/ʊə/ | tour, sure | ʊ → ə(英) |
2-2. 子音の発音解説(種類と発音記号)
■ 有声音 vs 無声音
無声音 | 有声音 | 発音例(無→有) |
---|---|---|
/p/ | /b/ | pin → bin |
/t/ | /d/ | ten → den |
/k/ | /g/ | cat → get |
/f/ | /v/ | fan → van |
/θ/ | /ð/ | think → this |
/s/ | /z/ | sip → zip |
/ʃ/ | /ʒ/ | sheep → genre |
/tʃ/ | /dʒ/ | check → job |
■ その他の子音
記号 | 発音例 | 音の特徴 |
---|---|---|
/h/ | hat, hello | 喉からの息音 |
/m/ | man, time | 唇を閉じて出す鼻音 |
/n/ | no, nine | 舌先を上歯茎に当てる鼻音 |
/ŋ/ | sing, long | 喉奥で出す鼻音(日本語にない) |
/r/ | red, very | 舌を反らせて口の中で震わせない音 |
/l/ | let, fill | 舌先を上歯茎に軽く当てる |
/w/ | we, window | 唇を丸めて息を出す |
/j/ | yes, you | 日本語の「ヤ」に近いがより軽い |
3. 英語の発音記号を学ぶメリット
■ 聞き取る力が変わる
発音記号を知ると、「耳で違いが分かる」ようになります。例えば、「ship」と「sheep」の違いも意識的に聞き取れるようになります。
■ 発音が明確になる
「cat」と「cut」の違いを正確に出せるようになることで、相手に伝わる力がぐっと増します。聞き返されることも減り、会話に自信がつきます。
■ 単語の覚え方が変わる
音から覚えることで、スペルも自然に身につくようになります。意味・音・綴りが結びつくことで、記憶の定着も深まります。
4. 英語の発音記号を理解したら次のステップへ
4-1. アクセント(stress)を理解する
英語では「どの音節を強く言うか」が非常に重要です。例えば “record” は名詞だと「récord」、動詞だと「recórd」とアクセント位置が変わります。発音記号の中でアポストロフィー(ˈ)がアクセントを示します。
実践アクション:
- 単語帳の見出し語にアクセント記号をチェック
- 音声を聞きながら、強く読む部分を口に出してみる
4-2. イントネーション(抑揚)を意識する
イントネーションとは、文章全体の“メロディー”です。平坦に読んでしまうと、英語が不自然になりがちです。
例:
- 疑問文では語尾を上げる
- 文の終わりは語尾を下げる
実践アクション:
- ネイティブの音読を真似するシャドーイング練習
- 自分の音読を録音し、抑揚をチェック
4-3. リエゾン(音のつながり)に注目する
リエゾンとは、単語同士がつながって発音が変化する現象です。
例:
- “pick it up” → [pɪkɪtʌp]
- “go on” → [ɡoʊ wɒn] → [ɡoʊwɒn]
実践アクション:
- 音読教材を使って、つながる音を意識して発音する
- 字幕付きの英語動画でリエゾンを確認する
まとめ:発音記号の理解が「通じる英語」への鍵
発音記号を学ぶことは、英語学習のスタート地点に立つことと同じです。
「発音はセンス」ではなく「技術と知識」です。
今回ご紹介した45個の記号を理解し、母音・子音の違いを意識するだけでも、英語の聞こえ方・話し方は大きく変わります。そして、発音記号を理解した先にあるアクセント・イントネーション・リエゾンといった“音の流れ”を身につけることで、英語は「読めるもの」から「使えるもの」へと進化していきます。
焦らず、ひとつずつ。
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