英語が通じない理由は、発音や語彙の問題だけではありません。
実は「声の大きさ」や「出し方」も、英語が伝わるかどうかに大きく影響します。
特に日本人は、小声で話す傾向があり、それだけで損をしている場面も少なくありません。
この記事では「声量」に着目し、英語の印象・説得力・通じやすさを高める5つの視点から、実践できる改善方法をご紹介します。
小声だと「自信がない」と伝わる
英語を話すときに小声になってしまう。そんな経験はありませんか？
例えば、初対面のプレゼンやオンライン会議で、しっかり準備して話したのに「なんだか頼りなく聞こえた」と言われたとき。内容ではなく、声の印象で判断されてしまったケースです。
実は、声が小さいだけで「自信がなさそう」「堂々としていない」と受け取られてしまうことがあるのです。相手は無意識に、声の大きさから話し手の態度や熱意を感じ取っています。
解決策：意識して「声を届ける」
声を張るというと、無理に大きく叫ぶイメージがあるかもしれません。しかし大切なのは「声を遠くに届けようとする意識」です。部屋の奥にいる人へ話すようにすると、自然と声が前に出て、印象も明るく、ハキハキとした話し方に変わります。
アクション：毎日1分「遠くの人に話す練習」
1日1分だけでいいので、10メートル先に人がいるイメージで声を出す練習をしてみましょう。壁に向かって話す、空間に響かせるなど、自分の声が届く感覚を体で覚えることがポイントです。
正しい発音も届かなければ意味がない
発音にこだわって練習を重ねたのに、いざ会話になると聞き返されてしまう。そんなとき、実は「発音が悪い」のではなく「声が届いていない」可能性があります。
日本人学習者は、発音練習で口の動きや舌の位置ばかりに意識が向きやすく、声量への注意が不足しがちです。ですが、どれだけ綺麗な音を出せても、それが相手に届かなければ“通じない”のです。
解決策：発音と声量はセットで練習
英語では、1音1音がはっきり聞こえることが求められます。発音練習の際には、ただ音を出すのではなく、「その音が相手の耳に届いているか」を意識しましょう。録音してみると、自分の声が意外に小さいことに気づくかもしれません。
アクション：発音練習に「録音チェック」を取り入れる
毎回すべて録音する必要はありませんが、重要な練習やプレゼン準備時には録音して、自分の声がどれだけ聞こえているか確認する習慣をつけましょう。特に母音や語尾の伸びなど、意識的に大きく出すことで、通じやすさがグッと変わります。
英語は“抑揚”で伝える言語
日本語に比べて、英語は強弱や高低の差が大きく、抑揚のある言語です。声が小さいと、せっかくのアクセントやイントネーションが相手に届かず、平坦な印象になってしまいます。
英語では「どこを強く読むか」「どこで緩めるか」によって意味の伝わり方が変わります。例えば、”I didn’t SAY he stole it.”のように、強調する単語を変えるだけで意味が大きく変わるのです。
解決策：声の「メリハリ」で意味を届ける
抑揚とは、声の高低だけでなく、強さ・スピード・間の使い方も含まれます。文章全体を滑らかに読むよりも、「伝えたい単語」にメリハリをつけるように意識すると、自然と英語らしい話し方に近づきます。
アクション：短文シャドーイングで抑揚に集中
長い文章ではなく、3～5語程度の短いフレーズを使ってシャドーイングする練習がおすすめです。ネイティブの音源を聞きながら、どこで声が上がっているか、どこで一拍置いているかに注目しながらマネしてみましょう。
緊張のせいで声が小さくなることも
自分では普通に話しているつもりなのに、録音を聞いたら「思ったより声が小さい…」と感じた経験はありませんか？
その原因は、緊張や不安による「無意識の萎縮」にあります。英語で話す場面になると、「間違えたらどうしよう」「変に思われたら嫌だ」と思ってしまい、知らず知らずのうちに声が引っ込みがちです。
解決策：声が出しやすい“身体の準備”をする
声は喉から出るのではなく、身体全体の使い方で決まります。深呼吸をして背筋を伸ばす、口を大きく動かすなど、身体をリラックスさせるだけでも声の出やすさは大きく変わります。
アクション：話す前に「姿勢と呼吸」を整える習慣
英語を話す前に、軽く深呼吸をして、口を開けて「あ・い・う・え・お」とゆっくり言ってみましょう。それだけで、声が出る準備が整い、話し出しがスムーズになります。
声を前に出すと“伝わる力”が上がる
英語の発音や表現力を磨くのに時間がかかると感じる方も多いですが、「声の出し方」を変えるだけなら、今この瞬間から変えることができます。
少し声を前に出すだけで、聞き返される回数が減ったり、相手が話を聞いてくれるようになったりと、実感できる効果があります。英語力が急に伸びたわけではなくても、「伝わる力」が上がるのです。
解決策：声量は“すぐ伸ばせるスキル”と捉える
声量や通りやすさは、筋トレや準備運動のように、毎日の小さな積み重ねで変わります。「自分は声が小さいタイプ」と思い込まず、少しずつ“前に出す声”を身につけましょう。
アクション：発音練習＋声出しエクササイズをセットに
発音の練習だけでなく、1日1～2分でできる声出しエクササイズ（例：ロングブレス＋ゆっくり母音読み）を取り入れることで、口の動きも声も同時に整っていきます。
まとめ：声を変えれば、伝わり方も変わる
発音や文法、語彙の知識ももちろん大切ですが、最も即効性があり、意外と見落とされがちな「声の出し方」に注目するだけで、英語の伝わり方が劇的に変わります。
自信がないときこそ、声を出してみる。声を出すことで、気持ちもついてくる。
まずは、自分の声を信じることから始めてみてください。
聞き返されない英語、伝わる英語は、声の出し方から手に入ります。
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