英語の発音練習というと、多くの人が「単語の正しい音」「発音記号」「口の動き」などに注目します。
もちろんそれも大切ですが、なかなか通じない、リスニングが伸びない、そんな壁にぶつかったとき、私自身が見落としていたのが“リズム”でした。
英語は音の言語。
ですがその土台にあるのは、実は「音の強弱・高低・まとまり」を生み出すリズムの感覚なのです。
今回は、発音の壁を越えるヒントとして私が実感した「英語のリズム」にまつわる5つの視点をご紹介します。
発音の悩みを抱えている方にこそ、読んでいただきたい内容です。
1. 英語は“強弱のリズム”で成り立っている
▶具体例
日本語は1語1語がほぼ同じ強さと長さで発音されますが、英語はそうではありません。
たとえば「I want to go there today.」をネイティブが言うと、「I WANT to GO there toDAY」と、強く読む語(内容語)と弱く流す語(機能語)に明確な差があることに気づきます。
▶感覚的な見えない壁
このリズムを無視して、すべての単語を均等に発音してしまうと、どうしても不自然に聞こえてしまうのです。
平坦な話し方では、英語としての抑揚が感じられず、相手にとって「聞き取りづらい」「意味が伝わりにくい」と感じられてしまいます。
▶解決策
英語は「意味の中心」となる単語(名詞・動詞・形容詞・副詞)に強弱を乗せることで、リズムが生まれます。
話すときは「何を強く言いたいか」に注目し、他の単語はリズムを保ちながら軽く流す意識が必要です。
▶アクション
今日から、短い英文を読み上げるときに「強く読む語(内容語)にアクセントをつける」練習をしてみましょう。
例えば “She likes to play the piano.” のように、リズムに“波”をつけて読むことを意識してみてください。
2. 単語より“音の流れ”が伝達力を決める
▶具体例
単語自体の発音が正しくても、それを一語ずつ切って発音してしまうと、意味が伝わりにくくなることがあります。
たとえば、「Can you help me?」を「Can」「you」「help」「me」と区切って発音すると、流れが不自然で聞き取りづらくなります。
一方、「Can-you help-me?」と音のまとまり(チャンク)として捉え、滑らかに話すと、伝達力がぐっと上がります。
▶感覚的な見えない壁
「単語ごとに正確に言うこと」が目的化してしまい、会話に必要な“流れ”が損なわれているケースが多く見られます。
その結果、「正しいはずなのに通じない」というフラストレーションに繋がります。
▶解決策
英語の発音には、意味の単位(チャンク)を意識して流れで発音する感覚が必要です。
文法的な区切りよりも、意味のまとまりを意識して読み上げることで、聞き手にとって自然な英語に近づきます。
▶アクション
まずは、英語のスクリプトを読むときに「どこで意味が区切れるか」を下線やスラッシュでマークしてみましょう。
リズムが整えば、自然なイントネーションとテンポも身につき、伝わる英語になります。
3. 音の高低が“感情”と“意図”を運んでくれる
▶具体例
英語では「質問」「強調」「驚き」など、話し手の感情や意図を“音の高低”で伝える特徴があります。
たとえば「Really?(本当?)」は、語尾を高く上げることで驚きや疑問を伝えます。
逆に「I’m fine.」を淡々と言えば事実の報告に、「I’m fine.」と強く言えば、安心させる意図があると伝わります。
▶感覚的な見えない壁
日本語では、感情や意図は語彙や文脈で伝える傾向があり、音の高低(ピッチ)に頼ることが少ないため、英語の抑揚が苦手な人が多いです。
その結果、英語を話しても「感情が伝わらない」「冷たい印象になる」と誤解されることもあります。
▶解決策
英語では、音の上げ下げこそが“伝える力”の源泉です。
大げさに感じるくらいでちょうどいい、とさえ言われるほど、音の高低には意味が込められています。
▶アクション
これからの発音練習では、単語だけでなくどこで上がっているか、どこで下がっているかに注目して真似してみましょう。
実際に自分でも一文の中で感情を込める場所を決めて話す練習をしてみてください。
4. リズムに乗ると“口の動き”も自然になる
▶具体例
リズムを意識して話すようになると、発音が劇的に変わるだけでなく、口の動きや舌の位置までもが自然と整っていくことがあります。
リズムに乗って発音を繰り返していたら、知らないうちに「口の開き方が大きくなった」「舌が柔らかく動くようになった」という方は多いです。
▶感覚的な見えない壁
発音記号や口の形ばかりに意識が向きすぎて、実際の発音がぎこちなくなってしまうことがあります。
「正しく言おう」としすぎるあまり、逆に不自然な英語になってしまうのです。
▶解決策
英語のリズムに身体を乗せると、自然な口の動きや滑らかな発音が引き出されます。
まるで音楽に合わせて歌うように、話し言葉にも“ビート”があるのです。
▶アクション
英語のスクリプトを真似て練習した後、自分なりのリズムやビートで声に出す練習も取り入れてみましょう。
口が動きやすくなるだけでなく、発音の癖が自然にほどけていく感覚が得られます。
5. リズムの習得は発音改良の近道になる
▶具体例
発音練習というと、「この音をどう正確に出すか」ばかりに注目しがちですが、実際に通じやすさに直結するのは、その音がどんなリズムに乗っているかです。
“development”のような長い単語も、「deVELopment」と、正しいアクセントの位置とリズムを押さえていれば、細部の音が多少曖昧でも十分通じます。
▶感覚的な見えない壁
単音の正確さだけを追い求めすぎると、会話のテンポが不自然になり、通じにくくなることもあります。
これは努力が逆効果になってしまう典型例です。
▶解決策
「完璧な音」よりも、「伝わるリズム」。
この発想の転換をすることで、発音そのものも自然と改善されていくという好循環が生まれます。
▶アクション
英語学習の中に「リズム練習日」を取り入れてみましょう。
ニュース英語のシャドーイングでも、単語ではなくリズムに集中する日をつくることで、全体の発音が整っていきます。
おわりに:リズムに乗ることで、英語は“生きた言葉”になる
発音を変えたい、もっと通じるようになりたい。
そう思ったときに注目すべきは、「音の細部」ではなく「音の流れやリズム」です。
英語は、音楽のような言語です。
ビートをつかめば、どんなフレーズも生き生きと伝えられます。
ぜひ、あなたも今日から「リズムに乗る英語」を始めてみてください。
あなたの声が、英語としてもっと自然に、もっと魅力的に届いていくはずです。
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あなたの現在地を確認し、何をどのように改良するか未来のあなたを一緒に見つけていきましょう。
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