はじめに:TOEICリスニングの“伸び悩み”はなぜ起きるのか
TOEICリスニング対策を進めていて、こんな風に感じたことはありませんか?
- 単語は見れば分かるのに、音声では聞き取れない
- シャドーイングをやっても伸びている実感がない
- スクリプトを見て「あぁ、これだったのか」となる
これらの悩みの背景には、意外かもしれませんが「自分の発音力の不足」が関係しています。発音できない音は聞き取れないと言われるほど、”発音力”と”リスニング力”は密接な関係にあります。
本記事では、TOEICリスニングの聞き取り力を大きく伸ばすために注目すべき「発音」の視点を、具体的な改善策とともに5つのポイントで解説していきます。
リスニング力は「自分の発音力」に比例する理由
英語学習者の多くが、発音とリスニングを別物と考えがちです。しかし、ネイティブスピーカーが自然に発する音を正確にキャッチするには、その音を自分でも出せるようになることが近道になります。
発音練習をしていないと、英語の音は文字通り「未知の音」として耳に入ります。日本語にはない周波数やリズム、口の使い方で発せられる英語の音は、目で見たときと耳で聞いたときに「別物」に感じてしまうのです。
自分が発音できるようになると、脳がその音を認識できるようになります。これは神経言語学でも裏付けられており、「発音できる音は脳が音声パターンとして認識できる」ため、リスニング力が大きく伸びるのです。
今日から少しずつ試していきたいこと
1.聞き取れなかった単語・文章を声に出して発音する ➡さらに、自分の声を録音して聞いてみる
2.TOEIC Part 2の短文を使い、発音→録音→比較を繰り返す(オススメはスロー再生でも聞いてみること)
3.単語学習とセットで発音記号と口の動きも確認する(もうひと踏ん張りでやれる時でOK)
聞こえない音は、発音できない音(r / l / th など)
TOEICでは、r / l / thを含む馴染みない単語・文章(普段使わない/遭遇しない表現など)が頻出します。これらを聞き取れない理由の多くは、「自分の発音として体得していない」ことにあります。
不思議なことに、音を理解できるようになると、知らない単語であってもスペリングの予想がつくようになります(ただし、意味を理解するところまでには至りません)。
- right / light の区別が聞こえない、または混同する
- thought / sought のような音が似て聞こえる
- three / tree が同じに聞こえる
音を正しく発音できないままでは、リスニング中にその音が「雑音」のようにしか聞こえません。耳が拾えても、脳が「聞き取る必要のある音」として処理できないのです。
発音の物理的な再現を練習することで、「音の記憶」が蓄積されます。r は舌を巻く、th は舌を歯で軽く挟むなど、口の動作ごと覚えるのがポイントです。
- ネイティブの発音をマネして口の形から練習する ➡ イメージや雰囲気から入りましょう
- r/l/th を含む単語リストを作り、録音して聞き比べる ➡ 好きな映画や音楽の字幕/歌詞を使うのもアリです
- 音声付きの単語アプリで、発音チェック機能を活用する ➡ 何度も聞いて、何度も声に出すのがポイントです
音のつながり「リエゾン・リダクション」に慣れる方法
TOEICリスニングでは、文中の単語同士がなめらかにつながって発音されます。これをリエゾン(音の連結)、リダクション(音の脱落・弱化)と言います。
- “What do you want to do?” → “Whaddaya wanna do?”
- “I’ll give it to you.” → “I’ll givittuya.”
- “Could you help me?” → “Coudja help me?”
単語単位でしか音を認識していないと、こうした自然な音の変化に耳がついていけません。リエゾンを知らないままリスニングに挑んでも、「そんな音は習っていない」と混乱するばかりです。
自分で音読・発音することで、口が「つながった英語」を覚えていきます。リエゾン・リダクションを知識として知るだけでなく、自分の口で再現できるようになることが重要です。
【リスニング教材や映画などを活用して知識と実践の幅を拡げましょう】
・スクリプトを見ながら音読+録音
・「つながる箇所」に印をつけてリエゾンの場所を意識する
・ネイティブの真似でリズムごと口に出す練習を繰り返す
シャドーイングより効果的?「発音→録音→修正」トレーニング
TOEICリスニング対策として定番の「シャドーイング」ですが、ただ真似して流すだけでは伸びにくいという声も多くあります。特に初中級者には負荷が大きく、発音の細部を見逃してしまいがちです。
聞こえた通りに言っているつもりでも、録音して聞き返すと「全然違う」ということがよくあります。発音のズレに気づかないまま続けていても、スコアアップには直結しにくいのです。
「発音する→録音する→自分で聞き返して修正する」という3ステップを習慣化することで、客観的に自分の音を確認できます。
これは「発話の精度」と「リスニング力」の両方を高める、非常に効率の良い練習方法です。
発音力が上がるとリスニングが変わる:体験談と変化
私の生徒さんに多いのが、TOEICリスニングで400点台前後から伸び悩んでいた時期があることです。リーディングは上がっているのに、なぜか聞き取れない。勉強しているのに、なかなか成果が出ない。そんな時に取り入れたのが、「発音トレーニング」でした。
1日15分、発音→録音→確認という練習を3ヶ月続けたところ、
- 短文の聞き取りが明らかにスムーズに
- リエゾンの流れが自然に聞こえるように
- TOEICリスニングで高得点を獲得
という変化がありました。
音読やシャドーイングも大事ですが、発音トレーニングによって「音の地図」が頭の中にできた感覚を身に着けられたのです。リスニング中に音のパターンが予測できるため、処理速度が格段にアップしていきました。
・自分のリスニングスコアの変化を記録しよう
・苦手だった音を克服できたかを月単位でチェック
・できれば英語コーチやパートナーと音声を共有し、フィードバックをもらう
まとめ:発音練習を取り入れるTOEIC対策のすすめ
TOEICリスニングが聞き取れないのは、リスニング力の問題だけではありません。
実際には、「発音力が育っていないこと」こそが最大のボトルネックになっていることが少なくないのです。
発音を整えることで、
- 英語の音が意味をもって聞こえる
- 単語がつながったときの流れがつかめる
- スクリプトと音声の処理が瞬時にできる
というように、リスニング全体の質が変わっていきます。
「発音はTOEICに関係ない」と思っている方こそ、一度発音トレーニングを取り入れてみてください。
自分の声を整えることが、聞き取れる耳を育てる第一歩です。
本記事が、TOEICリスニング対策に悩むあなたのヒントとなれば幸いです。
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