「t」「k」「p」などの破裂音が、カタカナ発音になるとどうしても“止まった”音になってしまう。
そんな悩みを抱えていませんか?
英語らしい音は、じつは「抜ける息」にヒントがあります。
[t]、[k]、[p]、[b]、[d]、[g] どれも日本語には存在しない”音”を作り出すので、理解と練習が重要です。
本記事では、破裂音を自然に発音するための5つの視点を軸に、具体的に解説していきます。
自分の発音が「こもって聞こえる」と感じたことがある方に、ぜひ読んでいただきたい内容です。
1. 日本語は止める、英語は抜く
日本語の発音は、音を明確に「止めて」発音することが基本になっています。たとえば「ト」「ク」「プ」などの音は、はっきりと口の中で止めることで、聞き取りやすさを保っています。
一方で、英語の破裂音は「止めてから抜く」ことで成立しており、その「抜け」が日本語話者には難しいポイントです。
「トゥ」「クッ」「プッ」と止めず、息を抜く意識が第一歩です。
具体例
・「stop」を「ストップ」と発音してしまい、音が詰まって不自然に聞こえた
・「pick」が「ピック」になり、語尾が強すぎて違和感を持たれた
・「take」を「テイク」と言っても、相手に通じなかった
課題
カタカナに引きずられると、どうしても音が「閉じた」ままになり、英語らしい開放感が失われます。また、破裂音の“抜け”がないと、英語の滑らかなリズムにも乗れません。
解決策
日本語では「止める」発音が自然でも、英語では「抜く」ことを意識する必要があります。息と一緒に音を“解き放つ”感覚を身につけましょう。
試してみたい実践アクション
ボイスメモを使い、「ストップ」と「stop」、「テイク」と「take」などを交互に録音し、自分の息の出方を比較してみましょう。
息が前に抜けているか、音の流れに注目して聞いてみてください。
2. 息を強く前に流してみる
英語のt・k・pは「破裂音」と呼ばれ、一度止めた空気を一気に解放することで生まれる音です。この「爆発感」のない発音は、どうしても聞こえにくく、意味が伝わりにくくなります。
具体例
・「paper」が「ペイパー」となり、“p” の息が出ておらず、聞き間違えられた
・「ticket」の“t” が抜けず、理解してもらうのに時間がかかった
・「topic」の“t”と“p”がこもってしまい、何度も聞き返された
課題
破裂音を「言ったつもり」でも、相手には“聞こえていない”という現象が起こります。日本語では息を意識する場面が少ないため、ついカタカナ発音になってしまう傾向があります。
解決策
t・k・pの直前に息を溜め、その後に強く前方へ「空気ごと」音を放つ感覚を練習します。呼吸を伴った発音は、破裂音に明瞭さを与えます。
試してみたい実践アクション
p→紙吹雪、k→キャンドル、t→ティッシュなど、身の回りの軽いものを前に置き、音を発したときにそれらが揺れるか試してみましょう。動けば、息が正しく出ている証拠です。
3. 口の中を“開放する”感覚を持つ
破裂音は、単に息を出すだけでは不十分です。大切なのは、「閉じた口の中を、開放する」感覚。これは、筋肉の使い方や発声のイメージにも関わってきます。
具体例
・「look forward to」を発音するとき、口が閉じたままで「クッ」と詰まってしまった
・「kit」は言えるのに、「ticket」になると詰まって流れなくなる
・「popcorn」を滑らかに言おうとしても、口が硬直して途切れてしまった
課題
音を出すことに集中しすぎて、口の動きや“開ける”タイミングが遅れてしまうと、全体の音がこもって聞こえます。
解決策
口を一気に「ポン」と開けるような感覚を持つと、音の開放感が加わります。これは見た目以上に大切な身体感覚で、慣れれば無意識にできるようになります。
試してみたい実践アクション
鏡を使い、口を閉じた状態から「top」「kick」「pineapple」などを発音し、音と同時に口の形が開放されているか観察しましょう。開いた瞬間の「勢い」を感じてください。
4. 鏡を見ながら口と息をチェック
発音は「感覚」に加えて、「見える化」することで一気に理解が進みます。自分では出せているつもりでも、動きが足りないことに気づくことが多いのです。
具体例
・「t」を言っているつもりなのに、舌が歯茎に当たっていなかった
・「k」のとき、喉奥が動いていないのに音を出している気になっていた
・「p」を言うとき、唇は閉じたが、開く瞬間に息が漏れていなかった
課題
鏡を使わないと、正しい動きができているかどうかがわからず、カタカナ発音のクセが抜けきらないリスクがあります。
解決策
視覚と聴覚の両方で発音をチェックする習慣を作ることで、動きと音のズレを修正できます。とくに破裂音は口の動作が明確なので、確認しやすいポイントです。
試してみたい実践アクション
「t」「k」「p」それぞれの発音の直前・直後の舌・唇・喉の動きを鏡で観察し、声を録音して聴き返しましょう。動きと音が一致していない場合、身体の使い方を修正してみましょう。
5. カタカナに引っ張られない練習法
「tap」や「pick」などの単語を、「タップ」「ピック」と読んでしまうことは日本人にとって自然です。しかし、このカタカナ読みが英語の発音を妨げる大きな壁になります。
具体例
・「capable of」を使ってみたいけど、発音に自信がないので、ためらってしまう
・「kick-off meeting」をもっと自然な流れで発音したいが詰まる
・「take a look at」をうまく発音できず、文脈からズレた解釈をされた
課題
カタカナには必ず母音が含まれており、それが余計な音を生みます。「子音止まり」の英語特有の響きが再現できません。
解決策
カタカナの語尾を捨て、語尾で“抜ける”練習を取り入れます。「タッ」「ピッ」「トッ」のように子音で終わる発音を意識することが効果的です。
試してみたい実践アクション
以下のような単語を、録音しながら練習してみましょう:
「tap」→「タ↘(息)」 「pick」→「ピッ(止めて抜く)」 「top」→「トッ(一瞬で開放)」
語尾に母音が付いていないか、自分の耳で確認してみましょう。
まとめ
破裂音の練習は、ただの音の再現ではありません。「息」「動き」「感覚」といった、身体的な要素を総動員することで、英語らしい自然な響きを手に入れることができます。今回ご紹介した5つの視点を意識して練習すれば、「通じる発音」に一歩近づけるはずです。
まずは、自分の音を“抜く”ところから始めてみましょう。録音して、見て、聴いて、動かして。地味だけど確実な変化が、そこにあります。
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