発音は合っているのに、なぜか通じない。
英語を話していて、そんな違和感を覚えたことはありませんか?
その原因のひとつが「リズム」です。
日本語のように一定の抑揚で話すと、どれだけ発音が正しくても、相手には不自然に聞こえてしまうことがあります。
本記事では、英語の発音における“リズム”に焦点を当て、リズムを整えることで得られる効果や、リズム感を鍛える具体的な方法について、5つの視点から掘り下げていきます。
1. リズムがズレると通じにくい
英語の会話において、単語ひとつひとつの発音が正確でも、文章全体としての“リズム”が日本語的であれば、ネイティブには不自然に聞こえます。英語は「強弱のある言語」です。内容語(動詞や名詞など)は強く、機能語(前置詞や冠詞など)は弱く発音され、自然な波を持って話されます。このリズムの波がズレていると、文章が正しくても、相手は「何を言っているのか分からない」と感じてしまうのです。
リズムがズレることで起きる例
- 「I will go grab food after the meeting.」をすべて均等なテンポで話すと、単調で機械的に聞こえてしまい、聞き手が内容を処理しづらくなる。
- 「Can you call me back later?」のような日常会話でも、強弱を無視して読むと聞き取りづらい印象になる。
- 英語のニュース音声や映画のセリフと、自分の読み方を比べたとき、「同じ文章なのに全然違う」と感じる。
リズムに乗るための解決策
まずは「リズムに乗る」ことを意識して練習を始めましょう。たとえば、子どもの頃に歌った手遊び歌のように、英語のセンテンスを「拍」に合わせて読み上げると効果的です。英語の文章は一定のテンポで、強弱の波を伴いながら流れていくため、それを身体で感じながら練習することが重要です。
試してみたい実践アクション
YouTubeでネイティブの会話音声を選び、音の区切りやリズムを真似してみましょう。
文章を読み上げる際、録音して後で聞き返し、どこが単調になっているかをチェックしてみましょう。
2. ルールだけでは再現できない
英語のリズムには明確なルールも存在しますが、それを知識として理解していても、自然な発音には直結しません。たとえば「強く読む単語」「間を取る位置」などは、理屈では覚えられても、実際の会話になるととっさに再現できないことが多いです。
これは「リズムは理論ではなく、音の流れとして体得するもの」だからです。ネイティブの発話を聞いていると、理屈では説明できないけれど、自然と伝わる“テンポ感”があります。このテンポ感は、実際に音を浴び、真似し、感覚をつかむプロセスを通じて少しずつ養われていきます。
ルールが通用しにくい場面の例
- 「I didn’t mean it.」のような否定文では、”didn’t”に軽くアクセントが置かれますが、状況によっては感情が強く乗る部分が変わる。
- 「What are you doing?」をスムーズに言うには、間やリズムを体得していないと「ワット・アー・ユー・ドゥーイング」と不自然に区切られてしまう。
- 文章を何度読んでも「抑揚のつけ方が分からない」と感じる。
ルールの向こう側へ行くための解決策
発音ルールを知識として覚え、「実際の音声」に触れて体感することが鍵になります。ネイティブの音声を何度も聞き、「あ、ここで上がるんだ」「ここで一拍おくんだ」という“音の流れ”を真似してみてください。スクリプトを見ずに、耳と口だけで再現しようとする練習も、再現力を高めてくれます。
試してみたい実践アクション
同じフレーズを複数のネイティブの話し方で聞き比べて、どのようにリズムが異なるかを分析してみましょう。
語尾の音が上がるか下がるかを意識しながら、短い疑問文や感嘆文を練習してみましょう。
3. 感覚は鍛えられる
リズム感は才能ではなく、習慣で鍛えられます。英語学習者の多くが、「自分にはリズム感がない」と感じているかもしれませんが、これは日本語と英語の言語的な性質の違いによるものです。逆に言えば、日本語的な平坦さから脱却するトレーニングをすれば、誰でも英語のリズムを身につけることが可能です。
有効なのが「音読」と「シャドーイング」です。これらを行う際に大切なのは、“意味”を考えすぎずに、“音の波”に集中することです。リズムを感じることを第一に置き、体に染み込ませていくことで、少しずつリズム感が身についていきます。
鍛えた結果の効果
- 最初は意味が分からなかった英語の音声も、何度も聞いて真似することでスムーズに言えるようになった。
- 「毎日5分の音読」を1ヶ月続けたことで、会話でのテンポ感が変わったと実感した。
- ネイティブのシャドーイングに取り組んでいたら、知らないうちに自分の抑揚が自然になっていた。
鍛えられない人ができる解決策
シャドーイングや音読、リズム練習を通して、「英語の音の波」を体感する機会を増やしましょう。ネイティブの音声に少し遅れてついていくシャドーイングは、英語のリズムに身体を慣らすのに最適です。速すぎると感じるときは躊躇なくスロー再生で何度もチャレンジしてください。
さらに、自分の発話を録音して聞き返すことで、「どこが合っていないか」「どこが平坦になっているか」を自覚し、微調整を加えていくことができます。
試してみたい実践アクション
- 好きな洋画のワンシーンを選び、毎日5回ずつセリフをリズムごとにシャドーイングする習慣をつけてみましょう。
- 教材を使わず、英語のポッドキャストやニュースの1フレーズをそのまま模倣するだけでも効果的です。
興味を持てるテーマやジャンルを選んでリズムに慣れ親しむのもモチベーション維持に繋がります。
4. 聞き手に“安心感”を与える力
英語のリズムが整うと、聞き手にとって非常に聞き取りやすい音声になります。これは会話において、相手に安心感を与える大きな要素となります。話し手の言葉がなめらかで自然だと、「この人の話は聞き取りやすい」「コミュニケーションがスムーズに取れそう」といった印象につながります。
ビジネスの場面でも、発音やリズムが整っているだけで、相手からの信頼感が大きく変わります。これは、言葉の内容以上に“印象”として受け取られるものだからです。逆に言えば、ぎこちないリズムや不自然な間は、聞き手にストレスを与え、理解の妨げになります。
リズムによる印象の違い
- プレゼンでのスピーチが滑らかだったことで、説得力が増した。
- 海外のホテルで、丁寧なリズムで話したらスタッフに笑顔で対応してもらえた。
- インバウンド観光客への接客時、「あなたの話し方は聞きやすい」と満足してもらえた。
安心感を抱いてもらうための解決策
まずは、自分が話す英語が「聞き手にとってどう聞こえているか」を意識することが大切です。
録音して第三者の立場で聞く、あるいは英語を話す友人や講師にフィードバックをもらうのも効果的です。また、リズム練習の際は、滑舌だけでなく「間(ま)」や「抑揚」にも注意を向けると、より自然な印象を与えられるようになります。
試してみたい実践アクション
鏡の前で「誰かに安心感を与える」つもりで短いフレーズを話してみましょう。
洋楽やスピーチを使って、感情を込めた音読練習をしてみましょう。
5. 日本語の癖を抜く鍵にもなる
日本語は抑揚の少ない言語です。そのため、英語を話す際にも、つい単調なトーンで話してしまいがちです。この「平坦なリズム」が、英語らしさを妨げる最大の要因のひとつです。
しかし、リズム感を意識してトレーニングすることで、こうした日本語特有の癖を少しずつ手放していくことができます。英語のリズムは「強弱」や「間」が明確で、それによって意味が伝わる構造になっています。この感覚を体に覚えさせることで、自然と「英語っぽさ」が身についていきます。
日本語からの脱却を助けるポイント
- 「I’m sorry.」が淡々と聞こえると、本当に謝っているのか疑問に思われることがあります。
- 面接や自己紹介で、自信がないように伝わってしまったという声もあります。
クセを抜くための解決策
まずは「自分の英語が日本語っぽく聞こえていないか」をチェックしましょう。
録音をして確認したり、ネイティブの音と聴き比べたりすることで、違いがはっきりします。そして、日本語の「一定したトーン」から脱却するために、英語特有の「音の山と谷」を意識して練習しましょう。特に「強く読む単語」「弱くさらっと流す単語」の区別を意識すると、英語らしさが格段に上がります。
試してみたい実践アクション
自分の英語を録音し、ネイティブの話し方と比較して「どこが平坦か」を探してみましょう。
英語の歌を使ってリズムを体に取り込むのも、日本語のテンポから抜け出す手助けになります。
まとめ
英語のリズムは、単なる装飾ではなく、“通じる英語”の核となる要素です。
正しい発音ができても、リズムがずれていれば、相手にとっては理解しにくい音声になります。しかし、このリズムは練習次第で誰でも習得できるものです。
音の流れを感じ、強弱や間を自然に取り入れることで、英語の伝わり方は大きく変わります。発音だけでなく、話し方全体の印象が変わり、聞き手に安心感や信頼を与えることができます。
そして何より、リズムを意識した練習は、日本語からの脱却にもつながり、「自分らしい英語」に近づく第一歩になります。ぜひ今日から、リズムを意識した練習を取り入れてみてください。
あなたの英語が、もっと自然に、もっと伝わるようになります。
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音の感覚を身に着けて、使える英語へと進化させていきましょう。
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